こんにちは。薬剤師のまるです。
今日は不足しがちな栄養素についてお話してゆこうと思います。
ダイエットが注目されがちですが、正しく栄養管理できていますか?
栄養素について理解し、正しい栄養管理を行い、健康的な体を手に入れましょう。過度な食事制限は肌艶を失うだけでなく、健康な体を失いかねません。将来、後悔をしないためにぜひ参考になれば幸いです。
■カルシウム
カルシウムの推奨量は成人男性で約800mg成人女性で約650mgです。カルシウムの推奨量は成長期の12~14歳が男女ともにピークとなり、男性では約1000mg、女性では800mg
となります。
成長期にはしっかりとカルシウムを取りましょう。
皆さんは自分の骨密度を知っていますか?
そして骨密度は男性では20歳、女性では18歳ころできまってしまうって知っていましたか?
20歳以降は、横ばいで、女性の場合は閉経を境に減少傾向に。男性では60歳以降減少傾向になってゆきます。私たちは成長期までに頑張って貯金したカルシウムを少しづつ切り崩しているのです。
つまり、大人になっていくらカルシウムを取っても遅いということです。
とはいっても、毎日しっかりとカルシウムを取って、減少を少しでも緩やかにしてゆくことも必要なので、成人を過ぎた方でもカルシウムを推奨量摂取するよう心がけましょう。
■カルシウムを多く含む食品
カルシウムを多く含む食品は牛乳やチーズなどの乳製品が効率よく摂取できます、魚介類も小魚や干しエビなど、骨まで丸ごと食べられる食品がカルシウムを多くとることができます。
■鉄分
鉄分の1日の推奨量は成人男性で約7.0mg成人女性の月経なしで約6.0mg、月経がある場合は1日10.5mgとなります。さらに月経の量が通常よりも多くなる状態では16mgまで上昇します。
上限量は男性成人で50mg、女子成人は40mgが上限として設定されています。
■鉄分を多く含む食品
・ほうれん草
100g(1/3束)あたり鉄分量2mg
・切り干し大根
20gあたりの鉄分量1.9mg
・木綿豆腐
150g(1/2丁)あたりの鉄分量1.4mg
・さんま
100g(1尾)あたりの鉄分量1.4mg
・牡蠣
70g(むき身5~6個)あたりの鉄分量1.3mg
・あさり
30g(むき身10個)あたりの鉄分量1.1mg
■食物繊維
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)では、女性18g以上、男性21g以上(ともに18~64歳の場合)を食物繊維の1日摂取目標量として定めています。
男女どちらも、どの年齢においても目標量より下回っています。
食物繊維の摂取量が少ないと、大腸がんのリスクが上がるという報告もあるため、意識して目標量の摂取を心がけたいですね。そして快便生活を目指しましょう。
◆水溶性食物繊維と不溶性食物繊維とは?
食物繊維には、水溶性と不溶性に分けられます。
【水溶性食物繊維】
水溶性食物繊維は水に溶ける食物繊維のことを言います。
植物の細胞内にある貯蔵物質や分泌物で、水に溶け、食品の水分を抱き込んでゲル化(ゼリーのような状態)します。このため、人体に好ましくない物質の吸収を妨げ、便として排出させるなどします。
▼水溶性食物繊維の特徴
①ネバネバしている
昆布やわかめ、めかぶなどの水に溶けてゲル状となり、食べ物を包み込み、ゆっくり吸収されるため腹持ちがよくなり、血糖値の急激な上昇を抑えます。
②吸着性
コレステロールを吸着して、便と一緒に排出するため、コレステロール値の増加を抑制する。
③腸内環境を整える
大腸内で発酵することで、善玉菌を増加させ、腸内環境を整えます。
【不溶性食物繊維】
不溶性食物繊維は穀類やイモ類、豆類、根菜類に比較的多い、水に溶けない食物繊維のことを言います。
植物の細胞壁の構造物質が中心となっていて、水に溶けず、水分を吸収して膨れます(イメージとしてはふえるわかめちゃん)。このため、腸壁を刺激して腸の蠕動運動を盛んにし、食物の残りかすなどを速やかに体外に排出してくれます。
▼溶性食物繊維の特徴
①保水性
胃や腸で水分を吸収して大きく膨らむので腸を刺激して、腸の蠕動運動を活発にし、排便を促します。
②腸内環境を整える
大腸内で発酵することで、善玉菌を増加させ、腸内環境を整えます。